動脈瘤は厳密に言うと、一般的な心臓病とは異なります。しかし、瘤の多くは大動脈という心臓の左心室から出ている血管にできるので、心臓病に含まれることも多いようです。また、動脈瘤は発生部位によって呼び名が異なり、横隔膜より上の場合には胸部大動脈瘤、下の場合には腹部大動脈瘤です。
動脈瘤とは血管の壁の一部が膨れている状態です。これは血管が血圧をおさえきれなくなるためです。動脈瘤がある人は、症状を悪化させないために禁煙をしましょう。タバコが良くない理由は、1本で10から20も血圧を上昇させるためです。血圧が上がると、さらに血管が血圧に耐え切れずに動脈瘤の破裂を起こします。また喫煙は血管に傷をつけますし、悪玉コレステロールも増加させます。
健康診断で動脈瘤が見つかっても、大きさが5cm以下であれば、すぐに処置はせずに様子を見ることになります。もちろん定期的に医師の診察を受け、大きくなるようであれば破裂する前に手術を行います。動脈瘤は、「ステントグラフト内挿術」で、動脈瘤への血流を遮断して瘤そのものを小さくする方法と、「人工血管置換術」で動脈瘤の部分を人工血管にする方法があります。
動脈瘤の中には、非常に危険なものもあります。それが「大動脈乖離」で、破裂をすると大出血につながり、生命の危険にさらされます。この疾患は、本来は「外膜、中膜、内膜」の3層の構造でできている動脈の内膜に破れが生じてしまうことから起きます。
最も薄い外膜が破れると大出血になり、緊急手術が必要になります。このように普段は特に症状がなくても、症状が現れると危険な状態になる心臓病もあります。普段から心臓病の危険性を認識しておきましょう。