心臓病の原因として言われるものに「喫煙」がありますが、これはなぜでしょうか。実は喫煙自体が心臓に直に悪影響を与えるというよりは、喫煙によって動脈硬化が起こりやすくなることが問題なのです。心臓病の中でも、死亡者が多い狭心症や心筋梗塞などは、動脈硬化が原因なので心臓病には喫煙が大きく影響していることになります。
喫煙をすると、コレステロールが血管の内側に簡単に溜まる状態になります。また、喫煙によって血液中の血小板は粘り気が強くなりますし血液もドロドロになります。やがてコレステロールと血液という2つの要素が相まって、血管の中に「アテローム」という糊状の塊ができてしまいます。
このアテロームで血管が塞がってしまい、さらに血液がドロドロで流れにくいために、動脈が弾力を失っていく状態が動脈硬化です。また喫煙には血圧を上げる作用もあります。1本タバコを吸うだけで血圧は10から20も上がりますし、一酸化炭素の血中濃度が上がることで血管を傷つけます。これらは全て動脈硬化の要因になり得るものです。
動脈硬化が原因で起きる虚血性疾患には、心臓病だけではなく脳卒中も含まれます。心臓病と脳卒中の両方と考えると、日本人の死因のトップが、ガンではなくて動脈硬化にあるとも言えます。喫煙は長年の習慣になっているという人もいますし、依存性もあるので、すぐに禁煙を実行するのは難しいかもしれません。しかしとても危険なものであることは確かです。
既に心臓病になっている人はもちろんですが、将来的に心臓病にならないようにするためにも、できるだけ禁煙の努力をしてください。